<阪神4-2横浜>◇28日◇京セラドーム大阪

 3番新井はタテジマ初の公式戦を激走&快打デビューで沸かせた。「移籍して初めての試合で特別な日。その試合で勝てて思い出に残ります」。もちろんとびきりの笑顔だ。

 まずは足で魅せた。2点を追う4回1死一塁で四球出塁。続く金本の右翼オーバーの一撃で二塁を蹴ると、二塁走者平野も追い越しそうな勢いで迷わず三塁も蹴った。和田三塁コーチの制止を振り切り、間一髪セーフの生還だ。同点にしたばかりか金本も三進。これが今岡の決勝打にもつながった。

 「そりゃあもう必死で走りました。絶対本塁までかえると決めつけてたので」。

 打撃に注目が集まるが、広島で鍛えられた機動力も隠れた魅力といえる。2月23日のオープン戦初戦(安芸、対オリックス)。三塁走者としてボテボテ内野ゴロに瞬時に反応、本塁に突っ込んで得点をもたらせた。首脳陣が「お手本にしろ!」とうなった状況判断と、一つでも前の塁をねらうハングリー精神。新井は「当たり前のプレー」と照れるが、この日の激走にはスペシャリスト赤星ですら「感動した」ほど。新井が三塁にストップしていれば試合展開は一変していたかもしれないのだ。

 「金本さんの一打?

 言わなくても(スゴイのは)分かってるでしょ(笑)」。

 続く5回の第3打席では、入来の外角変化球に逆らわず右前へクリーンヒット。きっちりタテジマ初安打も記録した。「今日はもう終わった。また明日ベストを尽くします」。連勝を見据える男が、気を引き締めた。【松井清員】