待望の右腕が帰ってきた。不振のため2軍で調整していた長谷川が30日、1軍に合流した。ナインとともに空路仙台入り。開幕3戦目に登板し、ローテーションの軸として期待されたが、結果を出せず5月6日に登録を抹消。しっかり2軍で体を作り直してきた。早ければ6月3、4日の日本ハム2連戦(札幌D)のいずれかに先発する可能性がある。また、同じく2軍で調整していた左腕青木高もこの日、合流した。

 一瞬、別人に見えた。今季のトレードマークだった長髪はバッサリ切られていた。2軍降格後、しばらくたってから切ったという。髪を切ったからどうこうという訳ではない。ただ、「変わろう」とする決意がそこに感じられた。

 今季は開幕3戦目に登板。当然ローテーションの軸として首脳陣は考えていた。今季初勝利は4月6日の横浜戦。しかし、そこから2勝目がつかない。調子は上がらず、防御率は下がっていった。6度目の先発となった5月5日、横浜戦では3回6失点。翌6日、2軍降格となった。防御率は6・61になっていた。

 一から体を作り直した。走り込みに重きを置いた。「いっぱい走りましたよ」。3週間あまりの2軍生活で登板は1度だけ。その試合ではサーパス打線を7回1安打と完ぺきに封じた。「ファームでいい調整をしたので1軍に上げたんだ」とブラウン監督は説明した。

 昨年も長谷川は開幕からローテーションに入った。しかし、5試合に先発した時点で防御率7・97。今年と同じ時期に登録を抹消された。昨年は1軍に戻ってからしばらくは中継ぎ。結果を出して、再び先発の座を勝ち取ったのは7月に入ってからだった。そこから13度先発し、すべて6イニング以上投げて自責点3以下と安定感をみせた。

 「与えられたところでしっかりやるだけ。去年もこの時期に1軍に昇格して、調子を上げられた」。現在1軍ローテはルイス、高橋、大竹の3本柱。4番手を新人篠田と大島が争っている状況だ。「長谷川はもともと実績がある。青木高はいろんなところで起用できる」と指揮官は含みを持たせた。早ければ日本ハム戦で先発復帰か。いずれにせよ、長谷川の復活なくしては長いシーズンは乗り切れない。【網孝広】