<楽天8-3広島>◇5月31日◇Kスタ宮城

 楽天の強さが本物になってきた。お騒がせ男ホセ・フェルナンデス内野手(33)の2本塁打を含む3安打5打点の活躍とハーラートップ8勝目を挙げた岩隈久志投手(27)の好投で、貯金は球団創設以来最多の4とした。野村監督が「今季初の楽な試合」と言う展開で好調広島に快勝し、2カ月連続の勝ち越し。リーグ首位西武との差を4に縮め、交流戦も7勝2敗で首位をキープした。

 4度はね返された貯金4の壁をついに突き破った。しかも、序盤の大量得点をエース岩隈が悠々抑える一方的な展開に、野村監督も「今シーズン初めて楽な試合。ゆっくり見させてもらいました。今日は入場料払わんとな」とニンマリ笑った。

 主役はお騒がせ男のフェルナンデスだ。1回、1点を先制し、なお2死一、二塁から4月27日日本ハム戦以来の7号3ランを放つ。前日までセ・リーグ防御率トップの高橋から放った貴重な1発。「久しぶりに打てたからホッとしちゃって」と、お決まりのパフォーマンスも忘れてベンチに腰掛けた。本来陽気な男が、余韻に浸っていた。5回1死一塁にはダメ押しの2ランを左中間席に放り込む。今度は悠々とダイヤモンドを1周し終えると、カメラに向かってビシッとガッツポーズをしてみせた。

 チームを悩ませた1カ月だった。打撃不振で3割を割った5月5日を最後に、4番を山崎武に奪われた。守備走塁時にしばしば顔を出す緩慢な動きを、野村監督に「怠慢プレー。仲間の生活を脅かす怠慢だけは許さない」と断罪された。5月18日西武戦では全力疾走せずに併殺を食らい「国に帰れ!」と怒鳴られた。この日も、試合前に左肩痛を訴え、DHを希望。野村監督は先発から外すことも考えたと明かす。ところが、1カ月ぶりの爆発で、固め打ちの5打点。「敵が1人交じっている。あのガキ!」と、むくれ続けていた野村監督も「今日はフェルナンデスデー。言うことないでしょ」と目尻を下げた。

 チームは昨年の8、9月以来2度目の2カ月連続勝ち越し。野村監督は「5月に入って(3勝8敗と)苦しんでいたが、よく持ち直した。踏ん張りの月に、踏ん張れたんだから、よしとしなきゃ。欲を言えばきりがない」。お立ち台でイヌワシポーズを決めたフェルナンデスは「気持ちは最高!」と明るさを取り戻した。助っ人が本塁打を量産すれば、チームも首位に向かって羽ばたいていく。【小松正明】