<西武10-3中日>◇1日◇西武ドーム
自慢の打線が久しぶりにつながった。パの首位を走る西武が、10-3の快勝で対中日の連敗を8で止めた。細川亨捕手(28)が8号3ランなど2安打5打点の大暴れ。“恐怖の8番打者”の豪快な打撃で勢いに乗ったチームは7試合ぶりの2ケタ安打、2ケタ得点を挙げて圧勝し、今季初の3連敗も逃れた。交流戦成績も5勝5敗の5割に戻し、最高の形で6月のスタートを切った。
打った瞬間それと分かる当たりに、西武細川は打球の行方を見届けることなく両腕でガッツポーズした。4回、2点を先制してなおも2死二、三塁のチャンスで、144キロの直球を左翼席上段へたたき込んだ。「あのカウント(0-2)だったから、真っすぐだけを待って1、2の3で振った」。この回一挙5点の猛攻で流れを引き寄せた。
5回にも中前にダメ押しの2点タイムリーを放った恐怖の8番打者は、タフな体でチームの好調を支えている。首の痛みを抱えながらマスクをかぶり、5月25日の阪神戦では右手親指付け根に裂傷を負った。4針縫ったあとは生々しく抜糸もまだ済んでいないが「単なる切り傷」と、負傷翌日から試合に出続けている。
04年にサイクル安打を達成するなど非凡な才能は誰もが認めるところだが、昨季までのプロ通算打率は2割1分2厘で「意外性の男」というイメージが強かった。だが、今季は開幕からコンスタントに数字を残し4番ブラゼルを上回る36打点をマークしている。渡辺監督は「8番は投手からしたら息を抜きたい打順。そこに勝負強い打者がいれば嫌だろうね。捕手は配球が読めるようになると打撃にもいい影響が出てくるもの。古田みたいになってほしい」と笑顔で話した。
手負いの獅子は強い。前日まで1勝4敗と嫌な流れが続き、負ければ今季初の3連敗だった。10得点の快勝で2年前から負け続けていた中日へのアレルギーもぬぐい去った渡辺監督は「みんな負けられないプレッシャーはあったはず。強くなったな、と思う」と目を細めた。細川は「抜糸?
まだですけど、もう大丈夫なんで、自分でハサミで切っちゃおうかな」と笑った。勢いだけではない。今年の西武には逆境をものともしない底力がある。【広瀬雷太】



