<阪神0-3ヤクルト>◇17日◇甲子園

 新井よ、帰ってきてくれ~。打てませんな。ボーグルソンが7回無失点に抑えても、打線がわずか5安打ではどうにもなりません。これで、今季ワーストの6試合連続ひとけた安打で、26イニングタイムリーなし。つまり3番新井がいないと、打線がまったく機能しないということ。新井は18日からの中日3連戦(ナゴヤ)に帯同するが、スタメンどころか代打出場も厳しい状態。当分は耐えるしかないですな。

 新井の不在がボディーブローのように効いてきた。最終回の代打攻勢も桧山、藤本の連続三振で不発に終わり、ジ・エンド。この5試合で3度目の完封負けを喫し、リーグ戦は今季2度目のカード負け越し。相手はともにヤクルトだ。岡田監督は話し口調は穏やかだったが、表情は苦々しかった。「(石川を)打てんなあ。ええ当たりもあったけど、正面を突くのは、振れてないからかも分からん」。打線の調子も下降線で、タイムリー欠乏症は26イニング連続となった。

 この日も腰痛の新井は欠場した。3番不在を象徴する場面は8回の攻撃にあった。先頭の赤星が中前打で出塁。関本がバントで送った。今季はこのパターンで何度も得点を挙げてきたが、3番に抜てきされた浅井は空振り三振。「悔しい。せっかくチャンスをもらったのに。何とかしたかった」とノーヒットに唇をかんだ。こうなると4番打者はつらい。当然のように金本は敬遠で歩かされた。途中出場の5番葛城は力のない二ゴロで先制のチャンスは消滅。続く9回表に決勝点を許す最悪の展開だった。

 新井の1日も早い復帰が待たれるが、そう簡単にはいかない。腰痛の症状は重く、劇的な回復は見込めない。今後のことを考えると、無理もさせられない。新井は今後の出場について「首脳陣との話し合いで決まるのか」と聞かれ「そうそう」と話すにとどまった。

 きょう18日には名古屋に移動し、中日との敵地3連戦に臨む。岡田監督は遠征に帯同させることは明言したが、復帰については歯切れが悪かった。「2日くらいでは分からん。本人の状態やからな」。代打での起用にも「1週間くらいバッティング練習してないから…」と否定的だった。広沢打撃コーチも「無理して出られるなら、もう出している。早く治すために休ませている」と話した。首脳陣の間では、まだ休養が必要という見方で、3番不在は続きそうだ。