北京五輪日本代表で主砲として期待される阪神新井貴浩内野手(31)が、ファン投票で選出された球宴を辞退する可能性が高くなった。腰痛に悩む新井は復帰の見込まれていた21日巨人戦(甲子園)もベンチ入りしなかった。23日までの巨人3連戦中は同様の措置で様子を見る方針だが、回復が見込めなければ球宴前に抹消し、球宴出場も辞退する方向。だが球宴辞退のペナルティーで五輪後の試合出場ができない場合は強行出場するしかない。いずれにしても日本が注目する北京五輪に、ぶっつけ状態で臨まざるを得ない状況になってきた。

 腰痛と必死で戦う新井は、この日の巨人戦でもベンチ入りメンバーから外れた。この日までは選手登録を抹消せずに回復を待ったが、見通しは明るくない。好転しない場合は、ファン投票で選出された球宴出場は辞退、球宴前に2軍降格する可能性も出てきた。

 練習開始前、クラブハウスから姿を現さない新井の代わりに常川達三チーフトレーナーが状態を説明した。「新井選手はグラウンドに出ずに治療に専念します。できる限りのことはやっている。ただ外に出るまでは野球の動きはまだ(できない)」。

 当初はこの巨人3連戦中にも技術練習再開とベンチ復帰を見込まれていた。18日からの名古屋遠征を外れ、中日3連戦を欠場。そのときに岡田監督は「甲子園に戻ってからやな」と早期回復にかけていた。だがこの日は「この(巨人)3連戦は様子を見るけどな。その後は分からない」と話すに止めた。首脳陣は「まだ野球の動きをできる状態ではない」とし、完治に時間がかかる見通しを示した。

 新井が初めて欠場した16日ヤクルト戦で岡田監督は「抹消はしない。10日間休ませても(球宴前に)試合に出られるのは3試合だけになる」と言い切っていた。一定期間の休養で回復する見込みだった。球宴前の公式戦でプレーを再開し、球宴にも出場。北京五輪までにステップアップする青写真だった。だがそれが狂う可能性は現時点で高くなっている。

 さらに、球団フロントは球宴を辞退した際の影響に頭を悩ませている。「球宴を辞退した後の登録抹消について、NPBに問い合わせている。球宴後、すぐに五輪期間になるが、その間の公式戦を数えるのかどうか。五輪が終わった後の10試合に出られない、という解釈も出来るが、それはおかしい。そうなら代打だけでも球宴に出ないといけない」。南信男球団社長はそう話した。

 野球協約86条では、オールスターを辞退した選手は出場登録を自動抹消され、球宴後の公式戦10試合は登録できないことが決まっている。新井は球宴直後から日本代表に招集されるため、登録抹消の期間が焦点となる。五輪が終わった後からの10試合が対象となるのなら、チームにとって正念場の時期にさしかかるため、球宴に“強行参加”せざるを得ない。

 今年は球宴の直後に五輪代表が招集され、1カ月近くチームを離れるという特殊なケースだけに判断は難しい。球団が連盟に問い合わせても、21日までに回答は得ていないという。

 いずれにしても新井が、マジック点灯の近い公式戦、球宴、北京五輪のすべてを万全の態勢でプレーするのは困難。優先順位がつけられない大事な戦いが続けて控えるだけに、1日でも早い回復を待つしかない状況だ。