日本最速も狙えるで!

 阪神に新加入したクリス・リーソップ投手(25=3Aリッチモンド)が23日、巨人戦(甲子園)の試合前練習に2日連続で参加し、来日後初めてブルペン入りした。投球を見守った岡田監督は、最速157キロを誇るストレートにびっくり。「速いな」と目を丸くした。球児が抜ける北京五輪期間中の“秘密兵器”は、うわさ通りの豪腕だった。久保田の阪神最速記録157キロはもちろん、巨人クルーンが記録した日本最速162キロの更新もあり?

 ブルペンで、ミットの音が響き渡る。新助っ投リーソップが、自慢の剛速球を首脳陣に初披露した。前日に引き続き、巨人戦の試合前練習に参加。関係者以外立ち入り禁止の室内ブルペンで、右腕の大きな可能性を見せつけた。熱視線を送った指揮官は「速いな」とニンマリ。

 岡田監督「157キロぐらいやろ。(スカウトの)山口さんが、スピードガンで測ったら、出ていたらしい。4日の(米マイナーの)試合かな。狩野も『150キロは出ている』と言っとった。今日は軽くやけど」。

 19日に来日。前日22日に1軍練習に初参加したばかり。時差ボケも残る。まだ試運転の段階。それでもモノが違った。直球にカーブ、スライダー、チェンジアップを交え32球。全球種を受けた狩野も、やはり直球を絶賛した。「速いし、重い」。191センチ、98キロ。巨体から投げ下ろされるストレートは期待十分だ。

 阪神の球団最速は、05年6月21日の中日戦(京セラドーム大阪)で久保田が記録した157キロ。自身最速なら、すでに球団記録に並んでいる。巨人クルーンが今年6月1日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)でマークした、日本最速記録162キロの更新さえも期待してしまう。まだ25歳。たった1回の投球で、無限の可能性を感じさせた。

 7月8日以来のブルペンで上々の評価を得た。もちろん、右腕も充実感たっぷりだ。「毎日剃る」というスキンヘッドから大量の汗を流し「かなり満足。調子は良かった。日本のブルペンはもっと柔らかいと思っていたんだけど、いい感じ」と笑顔を浮かべた。指揮官の鋭い視線にも「緊張はしなかった」とニヤリ。外見同様に心臓も強そうだ。

 今後は27日まで甲子園の試合前練習に参加。1軍が東京に遠征する28日から2軍合流し、29日にも2軍サーパス戦(鳴尾浜)で実戦登板する見込み。球宴明け、8月3日横浜戦(横浜)からの1軍昇格を目指す。北京五輪代表で守護神・球児が抜ける前に、期待大の男が現れた。【佐井陽介】