<中日5-4横浜>◇29日◇豊橋

 横浜村田は球団史に名を刻む1発を放った。1-2の4回、中日佐藤充から巨人ラミレスとともに両リーグ一番乗りの30号ソロ。3年連続30本塁打は球団史上初だ。6回には勝ち越しの犠飛も放ったが、最後は無念のサヨナラ負け。「勝ちたかったですね」と悔しがった。

 それでも、前向きに話した。「残念でしたけど(チームは)形になってきている」。北京五輪出場で、この日を最後にしばらくチームを離れる。最下位だが、ここ10試合は勝率5割ペースとチーム状態は上向きだ。「みんなに『頑張ってこい』と言われたけど、『そっちが頑張れ』と言いました」と後を仲間に託した。

 球宴出場を経て、いよいよ五輪へ。三塁が有力だが、強烈なヤジにもさらされた。25日の広島戦で2失策。試合には勝ったが「サード失格だ!」という声に表情をこわばらせた。責任は、すべて受け止めている。「五輪では全身グラブのつもりで守ります。自分は守備はうまいとは思わない。でも、エラーして迷惑を掛けるわけにはいかない」。水谷内野守備コーチが「気合が入っているよ」と驚くほどの集中力でノックを受け続けてきた。最後に「一番上のメダルを目指します。チームの代表でもある。その気持ちを持って挑みたい」と言った。北京で、ハマの主砲、男・村田が暴れまくる。【古川真弥】