阪神新井貴浩内野手(32)が、レギュラーはく奪のピンチを迎えた。28日横浜戦(甲子園)での後半戦スタートを翌日に控えた27日は本拠地甲子園で練習。今季は全82試合に出場しているが、打率2割1分6厘と極度の打撃不振に陥っている。和田打撃コーチは後半戦に向けて「前半戦と違って我慢して我慢して(使う)という状況じゃない」と、新井の置かれた立場を説明した。

 猶予期間はあまり残されていない。和田コーチは、悩めるスラッガーに対して「明日からの数試合がチームにとっても、新井にとっても大事になる。もう(練習の)方法うんぬんじゃない。試合で打つか、打たないか」と注文をつけた。結果が出なければ、早い段階でスタメンから外す可能性を口にした。

 正念場を迎えた新井はこの日、和田コーチの徹底指導を受けた。さらに途中から真弓監督のアドバイスも受けて打撃改善に取り組んだ。フリー打撃では約40スイングで10本のさく越えをマーク。これまでは打球の方向が一定していなかったが、この日は左方向への強い打球が多く、距離も伸びた。原点に返ったパワフルな姿を見た指揮官は「変わろうという意識があるから、打球方向も変わってきたよね」と話した。後半戦で最も期待する選手についても、新井の名前を挙げた。

 新井は、昨季までのプロ10年間で通算打率2割8分1厘を残しているが、和田コーチは「今の数字を新井本来の数字に戻すのは、並大抵のことではない。(打率を)とり返そうと考えずに、新しくシーズンが始まるぐらいの気持ちでいい」とアドバイスを送った。5日間のリフレッシュ期間を終え、再スタートを切る新井は「しっかり頑張ります」と一言。移籍2年目のポイントゲッターが、先発落ちの危機と戦う。【益田一弘】

 [2009年7月28日11時18分

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