<中日7-2ヤクルト>◇13日◇ナゴヤドーム

 ヤクルト高田繁監督(64)がクライマックスシリーズ(CS)進出を逃した場合には辞任する意向であることが13日、わかった。今季は前半戦から首位巨人に次ぐ2位で貯金も最大14とするなど快調に走ったが、後半戦になって大失速。この日も中日に敗れ、今季ワースト8連敗で4月16日以来守ってきたAクラスから阪神に抜かれ4位に落ちた。高田監督は3年契約の2年目のシーズンだが、残り24試合を不退転の覚悟で臨む構えを強調した。

 CS進出圏内から1歩後退した高田監督は、この日「ファンあってのものだから。結果がついてこなければ、そういうこと(辞任)もあるだろう」ときっぱり言い切った。CS進出を逃した場合には、責任を取って辞任する覚悟があることを明かした。

 日本ハムではGMも務めた高田監督だけに、球団に迷惑をかけたくないという思いも強い。関係者の話によると、次期体制へのバトンタッチの準備も考慮し、既にCS進出を逃した際の辞意も示唆したという。

 今季ワーストとなる泥沼の8連敗で、ついに4月中旬から死守してきたAクラスから転落した。8月4日に最大14あった貯金はあっという間に底をついて、借金は現在7まで膨らんだ。

 開幕前から、2年目の今季は背水の覚悟で臨むと口にしていた。「結果がすべての(プロの)世界。常にそういうふうに思っていますよ」と、この日も成績を残せなければ潔く身を引く考えがあることを強調した。

 12日には、名古屋市内のホテルで鈴木正球団社長兼オーナー代行(68)と緊急会談が行われた。3年契約1年目の昨季は、ラミレスやグライシンガー(ともに巨人)が抜けて5位に終わった。改革を目指した2年目の今季は相川をFA補強するなどし、開幕から快進撃を続けた。球団側からは今季の成績にかかわらず、契約を結んでいる来季までの指揮を切望された。だが「この成績で、今の段階で答えることはできない」と、態度を保留している。

 一時は4位以下に13ゲームの大差をつけて、悲願のCS初進出を信じて疑わなかった。だが夏場に入ってデントナや宮本、さらには五十嵐や守護神林昌勇も負傷離脱して大失速。1950年の球団創設以来初の12カード連続負け越しという不名誉な記録も更新し、ファンから罵声(ばせい)も浴び「本当に申し訳ない」とこぼしたこともあった。ファンを失望させた責任を痛感していた。

 CSに進出した場合には01年以来の日本一への道も残る。「クライマックスシリーズに出て、来年も指揮して契約をまっとうするということもあるだろうし。まだシーズンも残っている。チャンスがあるわけだから、残りの試合に集中していく。今はそれだけですよ」と意を決したように話した。残り24試合-。不退転の覚悟で臨む試合となる。

 [2009年9月14日9時9分

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