<横浜2-6ヤクルト>◇16日◇横浜

 「ハマのおじさん」横浜工藤公康投手(46)がリードを3点差に広げられた7回、マウンドへ向かうと、この日一番の声援が送られた。先日、球団から来季の戦力外を通告されたばかりだが、そのショックを感じさせない投球を見せた。「望みを捨てたわけじゃないんでね」。1投1投が、存在のアピールだった。

 ガイエルをスライダーで二飛に仕留め、宮本は内角143キロ速球で捕邪飛に打ち取った。好打者2人をねじ伏せ、悠々とマウンドを歩いて降りる姿には風格があった。「自信を持って投げた球というのはいいところにいくんだよ」。若い選手に伝えたいことをやってみせた。

 これからの登板機会は、来季へのアピールだけでなく、横浜への恩返しにもする。「時間は限られているけど、3年間在籍したんでチームを強くしたい。残せるものを残したい」。横浜の礎をつくってチームを去るつもりでいる。

 [2009年9月17日8時53分

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