男・村田が堂々の3冠王宣言だ。横浜村田修一内野手(29)が11日、鹿児島・奄美大島での自主トレを公開した。気温20度。春を思わせる南国の陽気に、動きも口も滑らか。「取れるタイトルは全部狙う。一番こだわりたいのはホームラン王で、次が打点王。うまくいけば3冠王だってある」と大きな目標をぶち上げた。

 達成すればセ・リーグでは86年バース(阪神)以来、24年ぶり。「自分は内野安打が少ないから」と冷静に分析するが、08年にはリーグ4位の3割2分3厘という数字も残している。日本選手初の右打者200安打を目指す同僚の内川が強力なライバルとなりそうだが、決して夢物語ではない。村田の表情は「最後にそこ(首位打者)を争っているようなら、ほかのタイトルはついてくる」と真剣そのものだ。

 今季にかける決意は、この自主トレからも伝わってくる。2度のけがに泣いた昨季が、意識を変えた。「今までは飯もたらふく食っていたし、酒も飲んでいた。今年は30歳になる。選手寿命を考えても、もうばかはしていられない」。昨年までは毎日のように飲んでいた酒は1滴も口にしておらず、夕食後は2時間のストレッチやマッサージで入念に体をケアする。朝7時に起床し、夜は11時には就寝する規則正しい毎日に「健康優良児。高校生みたいだ」と豪快に笑う。WBC参加時には95キロあった体重は、すでに93キロにまで絞り込んだ。「暖かいだけに順調に動けている」。90キロでのキャンプインを目指す。

 「横浜は、今年は『ヤバいな』と思わせたい」。有言実行。タイトル奪取宣言を口だけで終わらせるつもりはない。【鈴木良一】

 [2010年1月12日8時6分

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