広島野村謙二郎監督(43)の来季続投を3日、松田元オーナー(59)が明言した。チームは今季開幕から故障者が続出するなどで下位に低迷しているが、球団は長期政権でのチーム強化を目指し、1年契約の同監督の続投を決めた。同オーナーは「年々、力をつけて、最終的には力で優勝できるようになってほしい」と話し、今季は「球宴までに借金を1ケタにして、8月以降巻き返しを」と猛ゲキを飛ばした。

 カープの再建は、来季も野村監督に託された。この日、松田オーナーは、前日の横浜戦で今季公式戦のちょうど半分、72試合を戦い終えた野村カープについて評価を問われると「(監督の)采配以前。これだけ故障者が出てしまったら難しい」と、大竹や永川勝、栗原ら主力にけが人が続出し、4位に低迷するチーム状況に理解を示した。そのうえで、監督続投について「当然だ」と、来季も指揮権を野村監督に委ねる意向を明らかにした。

 野村監督の契約は1年だが、昨年の就任時から、同オーナーは長期政権でのチーム立て直しを期待していた。この日、あらためて「長期計画の中で位置づけて、優勝を狙えるようなチーム作りをしてほしいと思っている。年々力をつけて、最後は力で優勝できるように。もちろん、チャンスがあれば毎年狙うべきだが」と、若き指揮官に率いられたカープに、91年以来の優勝を期待した。

 「カープらしい野球」も見えてきた。わずか1安打で勝った2日の横浜戦を、同オーナーは「ウチらしい野球だった」とたたえた。少ない好機に、機動力を生かして得点に結びつけるスキのない野球。カープが強かった時代に繰り広げていたものだ。後半戦に向けて、その典型的な試合を目にして手応えを感じたという。「希望を持っている。ケガ人が戻ってくれば連勝も可能じゃないか」と話し、現在12ある借金についても「球宴までに借金を1ケタにして、8月にどれくらい詰められるかだ」と後半戦での巻き返しのためにゲキを飛ばした。

 野村監督も、シーズンの半分を終え「ここまでの結果は出ている。(重要なのは)これからどうやるか。1試合1試合、戦っていくだけ。上しか見ていません」と、残り72試合での逆襲を誓っていた。

 [2010年7月4日12時28分

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