<中日5-4横浜>◇21日◇ナゴヤドーム
無失点記録が止まっても落合竜は止まらなかった。球宴前最後となった横浜戦は先発吉見一起投手(25)が4回、ハーパーに2ランを浴びて16日広島戦(広島)から続いていた連続イニング無失点記録は50イニングで止まった。それでも1点ビハインドの状況から7回に同点とすると、8回には新人大島洋平外野手(24)が決勝打を放ち、6連勝で締めくくった。貯金は今季最多7で、首位巨人とは3ゲーム差。逆転優勝を狙う後半戦へ弾みをつけた。
落合監督は満足そうな笑みを浮かべていた。逆転勝利の後、会見場にやってくるといきなり笑い飛ばした。「予想通り。点数取られるのは吉見だよ。あいつから始まっているんだもん」。先発吉見が4回に2ランを浴び、連続イニング無失点記録は50イニングで止まった。先発陣の大黒柱は6回にも2失点で逆転を許し、降板となってしまった。
ただ、今の落合竜の強さはここからだった。7回、堂上剛の適時打で同点に追いつくと、勝負を決めたのは8回だった。代打野本、荒木のヒットで1死一、三塁のチャンスをつくると打席には大島。カウント1-2から真ん中寄りの直球を鋭く中前にはじき返した。新人離れした勝負強さで失点ショックを振り払った。
「同い年の(堂上)剛裕が頑張っていたんで何とか僕も…、やりました~!」。お立ち台に上がった大島はチーム内で“お約束”となりつつある絶叫パフォーマンスを披露した。球宴前最後の本拠地でルーキーが主役になる。今季の前半戦を象徴するような光景だった。荒木、井端の故障離脱など“誤算”が続いて、一時は首位巨人に最大8ゲーム差をつけられた。それでも大島、堂上直ら若手が失敗を糧に成長し、ベテランとかみ合い始めた。
「1年終わっていないですが、正直、長かった。プロとアマの1番の違いは毎日試合があるということ。毎日、都市対抗をやっているみたいです」。開幕中堅の座を勝ち取った大島だが、開幕直後の4月中旬、2軍に落とされた。疲れから打撃フォームを崩したのが原因だった。プロのペナントレースは社会人の名門・日本生命でも味わったことのないタフな戦い。それから食事量を増やす努力が始まった。疲労から食欲がない時は無理にビールを胃に流し込んで食欲を増進させた。細身の体と心は次第に鍛え上げられていった。
「彼らはぎりぎり後がないという状況で使った方がいい。そういう意味ではいい競争している。今、1番求められるのは必死さじゃないのか。ここ(1軍)にしがみついていたいっていう。まあ、今の状態を続けていけば、いいものは出てくるんじゃないか」。同点、逆転に絡んだのは25歳の堂上剛、26歳の野本、そして24の大島…。これまでとは違った力が勝利をもたらした。首位と3ゲーム差での折り返し。言葉にこそしなかったが、落合監督は逆転優勝への手ごたえをその両手にずっしり感じていただろう。【鈴木忠平】
[2010年7月22日12時10分
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