阪神がマット・マートン外野手(28)とクレイグ・ブラゼル内野手(30)の来季残留方針を固めたことが23日、分かった。打率3割4分8厘で首位打者を争うマートンと、30発で本塁打キングを争うブラゼルの活躍を高く評価。前半戦2位ターンの立役者に、前半戦終了という異例の早さで残留を決めた。両選手とも契約上、他球団への流出はないが、将来的なメジャー流出の危機も踏まえ球団は複数年契約を準備。2年後、3年後も見据えて両助っ人のハートをつかみにいく。

 阪神がマートン&ブラゼルの残留方針を固めた。そろってタイトル争いに参戦する活躍で前半戦2位ターンを導いた両助っ人を高く評価。球団首脳は「2人の成績を見れば当然の話で、逆に来年もいてもらわないと困る」と明かした。外国人の去就に関しては慎重に進める球団だが、来季の活躍を確信。前半戦終了という異例の速さで、2011年の契約を決めた。

 最大限の誠意を示し、複数年契約を用意する。マートンとは昨オフ、来季契約の選択権が球団にあるバイアウト付の2年契約を結んでいる。そこには国内、国外の他球団には移籍できない条項が盛り込まれている。それでもこの活躍で、母国米球界から熱烈な誘いがあるかもしれない。たとえ来季は虎に残留しても、2年後、3年後も見据えたメジャー流出のリスク回避は重要な解決事項。そこで今オフ、新たな複数年契約を結び直す準備に入った。

 ブラゼルも同様だ。古傷の左ヒザ痛を抱えるため、昨オフの契約は1年にとどまった。ただ阪神が契約更新の意思を示せば、来季は国内他球団への移籍ができない条項が盛り込まれている。だがこちらには米球界復帰に関する制限はない。今季の活躍に目を付けたメジャー球団が高く評価し、本人が母国でのプレーを望めば流出は避けられない。そこでブラゼルにも複数年契約を用意する。

 両選手の意思が左右する問題だが、ともに日本で子どもを授かり、タイガース愛を公言している。球団首脳は「大事な選手なので誠意を持って対応したい。白紙小切手とはいかないけど」と意気込みを語った。両助っ人の存在は3年目の来季続投が決まっている真弓阪神に欠かせない。今オフの契約に注目が集まる。

 [2010年7月24日11時25分

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