<阪神0-4巨人>◇14日◇甲子園
「新4番の男」が登場し、「オガラミ」抜きの「チョ~近未来打線」が機能した。原巨人が阪神に快勝。前日13日の死球の影響でスタメンを外れたラミレスの代役に、長野久義外野手(26)が第75代4番に抜てきされた。3回1死からゴンザレス、坂本、亀井、大村、長野の5連打で4点を先制。3連敗は免れ、首位ヤクルトが引き分けたため、自力優勝が復活した。
自力V消滅、2連敗、借金9…そんな巨人の負の連鎖を止めたのは、長野が4番の「チョー近未来打線」だった。ラミレスの先発漏れが決まり、4番が空位に。「ラミレスがいなくなったら長野しかいない」(原監督)と、首位打者を争う若武者が抜てきされた。練習前に告げられた本人は「最初は冗談かと思いました」。真実と悟った第75代4番は「打順に関係なくつなげられたら」と覚悟を決め、小笠原もラミレスも高橋由もいない新打線が完成した。
4番にふさわしい輝きを放った。3回、9番ゴンザレスから4連打で3得点し、なおも1死二塁。ここのところ打線が眠っているだけに、誰もが「もう1点を」と願った。1ストライクからの2球目。長野が快音を響かせると、左越え適時二塁打となった。「(4番は)光栄なことなんですけど、あまり意識せずに打てたかなと思います」。
2年目での4番は99年高橋由以来だ。現役時代は2年目で初4番を経験した原監督の映像はテレビで見ていた。東都の雄・日大で1年秋に4番を務めた長野でさえ、巨人の4番は「すごい」のひと言に尽きるという。だからこそ、少なからず重圧はあったはずだ。この日、夏の甲子園を目指す母校・筑陽学園が、福岡大会の初戦を突破した。練習前、青空を見上げながら「初戦は勝つでしょ」と喜んだ。高校時代、憧れながらも届かなかった。その夢舞台を、今季打率4割超という得意の球場かつ、巨人初4番にして勝利に導いた思い出の地に塗り替えた。
ラミレスは「セ・リーグで3本の指に入る選手。これからの巨人を引っ張る新しい4番になるんじゃないか」と期待したが、長野は「後ろに阿部さんだったり、すごい打者がいっぱいそろっている。つなげればいい」と謙遜し、続けた。「僕は4番ではありません。意識しないで、自分のバッティングをしていきます。1試合1試合、勝っていくしかないです」。いわゆるひとつの「平成のチョーさん」は、4番初日で自力Vを復活させても、ぶれずに勝利を追求する「真の男」なのである。【浜本卓也】



