<ヤクルト1-4巨人>◇4日◇神宮

 原巨人の「予測不能打線」が機能した。首位ヤクルトに逆転勝ちで連敗を2で止めて2位に再浮上し、ゲーム差を3に縮めた。1点を追う4回、4番に復帰した巨人アレックス・ラミレス外野手(36)が同点打。7回にはラミレスの16号勝ち越し2ラン、5番坂本勇人内野手(22)の12号ソロと連続アーチ。9敗2分けと苦しんできたビジターでのヤクルト戦で、最後に一矢報いた。

 隣の国立競技場で行っていた人気アイドルグループ・嵐のコンサートのクライマックスよりも少しだけ早く、神宮球場から巨人の「ラミ・勇人」が、大きな花火を2連発で打ち上げた。

 1発目は、7試合ぶりに4番に復帰したラミレスだった。1-1の7回無死一塁。ヤクルト石川が併殺も狙って投じた初球チェンジアップに、体を流されることはなかった。「併殺にするにはベストの球と思っていた。うまくすくいあげることができたよ」。打球は高々と左翼席へ消えた。状況を分析し、狙い澄ました初球打ちに「次の1点が重要な場面で勝ち越し本塁打を打てて良かった。いい仕事ができたよ」と納得の表情を見せた。巨人の4番を張ること501試合目。これぞ、4番の仕事だった。

 第74代4番は「自分は勝利のために全力を尽くすだけ」と常々話す。だが、巨人初の7番も経験し「自分を見つめ直せた」。体調をいま1度整えつつ、体重を後ろ足にしっかりためるなどの微調整も重ねた。4回には同点適時打で、アウトにこそなったが二塁を狙って激走も見せてチームを鼓舞した。前日3日の敗戦後、原監督は「元気ないね。もっと引っ張ってくれないと」と4番高橋由を途中交代させた意図を話した。その翌日、ラミレスが慣れ親しんだ4番に座って指揮官の求めるものを示した。

 仕上げは坂本だ。「積極的にいけました。ラミちゃんが打ってくれたことで、勢いに乗って打てました。どさ(くさ紛れ)です」と笑顔で謙遜したが、気落ちする石川の内角高め129キロを、くるりとうまく体を回転させて左翼席へ運んだ。相手エースをマウンドから引きずり下ろす、価値ある5番初アーチ。「納得できるスイングができました」と振り返った。「ラミ・勇人」のアベック弾は今季2度目だが、2者連続弾は初めて。神宮の夜空に「たまや~」ならぬ「ラミや~、ハヤや~」の2連発で、一夜で2位に返り咲いた。

 明日6日からは敵地で中日3連戦に臨む。坂本は「3連敗していくより、1つでも勝って行く方がいいので良かった」と次なる戦いを見据えた。「予測不能打線」が生み出した新クリーンアップの一発共演が巨人の危機を救い、首位とは3ゲーム差。ストロングスタイルを取り戻した巨人が、まだまだ、混セの嵐の中心にいる。【浜本卓也】