<中日3-5巨人>◇6日◇ナゴヤドーム

 リーグトップを独走する14勝目にも、巨人内海哲也投手(29)の表情に笑顔はなかった。「全然あかんわ」と漏らした後に「今日はチームのみんなに助けられた。チームが勝てたことが一番です」と続けた。6回6安打1失点でチームの勝利を導いたが、投手陣の柱としての責任感から満足できなかった。

 ホームベースの四隅をフルに使った。天敵の和田には3打席で内角に4球、外角に3球と両コーナーにちりばめ、的を絞らせず。わずか7球で片付けた。5回を除き、毎回走者を背負ったが、失点は1。走者を背負っても粘り強く抑える、内海の真骨頂だった。

 07年に並ぶ自己最多タイの14勝目。防御率、勝ち星のリーグ2冠をキープした。抜群の安定感を支えるのは、自分を客観的に見る目だった。8月30日の福井での凱旋(がいせん)登板。調子が良くない中でも、得点を与えなかった。「何となくバランスが悪いなと。じゃあ、ここを修正してみようかなって。マウンドでも、焦らなくなった」。味方が得点した直後の回に力みから失点していた弱い姿はもうなかった。

 ベンチから見つめた原監督も、修正能力の高さに目を細めた。「ずっと投げてきていて、今日は悪いながらでも、あそこまで投げたのは大きいですね」と評価した。「野手の方が点を取ってくれて、調子が悪いなりに試合をつくることはできた。けど、次は修正して、しっかり投げます」。バスに乗る間際、内海は力強く締めた。【久保賢吾】