<巨人1-3中日>◇17日◇東京ドーム

 首位ヤクルトとの差がこのまま開いていく一方なのか…。3位巨人が2位中日との接戦を落とした。3番長野、4番ラミレス、5番高橋由が無安打。5回、坂本の14号ソロで同点とするのがやっとだった。原辰徳監督(53)が「我々のお城」と表現する本拠地東京ドームでは22敗目、あと16試合を残して昨季の負け数に並んだ。

 悔しくないはずはない。それでも原監督は、9回2死満塁で無得点に終わった現実を見届けた後の会見で、「ここでぼやいてもね」と悔しさとともにあふれ出そうな言葉を、グッとのみ込んだ。坂本のソロ本塁打による1得点のみで、クリーンアップは無安打に終わった。中日と16試合を終え、4得点以上を挙げて勝ったのは1試合だけ。接戦になるのが予想できたであろう一戦で、またも打線はつながりを欠いた。

 原監督が「我々のお城」と表現する本拠地・東京ドームで、今季は苦しんでいる。昨年は42勝22敗と20も貯金をつくったが、今年は23勝22敗2分け。残り16試合もありながら、負け数が並んだ。チーム打撃成績でも、昨季より約6分も低い打率(2割2分4厘)をはじめ、軒並みダウンしている。

 「打てたり打てなかったりするのが野球。明日はチームの勝利のために全力を尽くしたい」とラミレス。ファンの大歓声に応えたいという気持ちが力みや焦りとなり、マイナスに作用している可能性もある。だからこそ、原監督は「切り替えていくしかないわけですから。明日にもつなげるようにいきます」と言い、長野も「また明日、頑張ります」と顔を上げた。

 首位ヤクルトが引き分けたため、ゲーム差は8にまで広がった。首位争い生き残りをかけ、これ以上後退するわけにはいかない。ここ5試合で18打数2安打1打点と不振の4番ラミレスの打順について聞かれた原監督は「明日になって最善策という形でどういう風にするか、明日になってみないと分かりませんね」と含みを持たせた。リーグ戦は残り25試合。その半分以上を占める16試合を残す「お城」での打線覚醒が、巨人浮上の絶対条件になる。【浜本卓也】