プロ野球の臨時実行委員会とオーナー会議が1日、都内で行われ、TBSホールディングス(TBSHD)からディー・エヌ・エー(DeNA)への横浜球団譲渡が正式に承認された。

 球界が「11対1」でDeNAの参入を認めた。臨時実行委員会とオーナー会議では、挙手こそ行わなかったものの、12球団に意見を聞く事実上の評決を行い、楽天を除く11球団が賛成した。野球協約では実行委員会とオーナー会議で出席者の4分の3以上の賛同があれば承認となる。

 議決のやり方については実行委員会の冒頭で協議した。特別利害関係にある横浜に権利があるか否かは見解が分かれたため、野球協約10条「規定の解釈に疑問が生じた場合、コミッショナーが最終判断する」により、加藤良三コミッショナーに一任。同コミッショナーが12球団で議決することを決め、審議に入った。

 楽天は実行委員会とオーナー会議でともに「承認しません」と反対表明。繰り返し主張していたDeNAの事業の健全性や法令順守について問題点があるとの判断からだった。しかし両会議にDeNA春田会長が入室し、それぞれ30分にわたって疑問点に答え、十分な議論を尽くした。

 これまで「中立」とみられていたロッテ重光オーナー代行は「春田会長はテレビで見るよりいい印象を受けた。野球界に新しい風を吹き込んでくれるのでは」と歓迎した。加藤コミッショナーも「日本の世相、経済の移り変わりを見ると、新しいファン層を開拓してくれるという期待感があった」と話した。

 DeNAは11月4日に日本野球機構(NPB)に加盟申請。異例ともいえる春田会長による3度のヒアリングを行い、承認された。球団譲渡は04年にソフトバンクが福岡ダイエーホークスを買収して以来。IT関連企業が球団保有をするのは楽天、ソフトバンクに続き3球団目で、セでは初めてとなる。02年から横浜球団を保有したTBSHDは球団運営から撤退する。