ガッツも早いぜ!

 巨人小笠原道大内野手(38)が4日、フリー打撃で好仕上がりを印象づけた。左の打撃投手から28スイング中16本が中堅から右方向。この時期の小笠原は、反対方向への打球がほとんど。引っ張って鋭い打球を放つのは確認作業の段階が進んでいる証拠といえ、岡崎ヘッドコーチは「(仕上がりが)早いね、去年と比べて」とにっこり。小笠原も「そう言ってもらうことはすごくありがたいこと。そう映るということは、しっかり見てもらっているということだし励みにもなりますから」とほおを緩めた。

 1年前とは違う。昨年は「S班」として室内中心に独自調整をしていた。シーズンに入ると2度の死球による離脱と不運も重なり、打率が6年ぶりに3割を下回った。「やっていることは一緒」と言うように、変わったメニューはない。「(打球が)そっちにいくいかないとかではなくて、自分のやっていることのすり合わせがまだまだ必要」と全く満足もしていない。それでも、屋外でフリー打撃を連日行うなど、例年より明らかに仕上がりが早い。

 今季に懸ける思いは、この日の足もとにも見てとれた。防寒対策として、レッグウオーマーをつけて練習に励んだ。「持ってきたら暖かくなっちゃった」と笑いつつ、こう続けた。「やるにこしたことはないから。念には念を、です」。最高の状態で開幕へ-。悔しさは胸の奥にしまいこみ、ガッツは1歩ずつ確実に前へと進んでいる。【浜本卓也】