巨人宮国椋丞投手(19)には、急な登板日変更もスタミナも心配無用だ。中日とのオープン戦(15日、浜松)には東野が先発予定だったが、川口投手総合コーチは「前回の登板中から肩の外側に張りがある。1回飛ばします」と回避を決定。代わりに「(開幕ローテーションに)食い込む可能性が高くなってきたので急きょ変更。しっかりしたところで投げさせて見極めないといけない」と、13日の教育リーグ西武戦に先発予定だった宮国に白羽の矢を立てた。

 「先発前日」から「先発3日前」に変わった12日、ジャイアンツ球場で調整する宮国は落ち着いていた。「影響はないです」と話す表情は、穏やかだった。だが、ブルペンでの姿は、雄弁に次戦への意気込みを物語っていた。投げた球数は、プロ入り後最多の129球。「今までで一番多いです。100球は投げようと思っていました。球数を投げて調子を確かめたかった。この前より全体的に良くなっていた」と、昨季セ覇者相手に長いイニングを投球する状況に備えた。

 ここまで結果を残し、開幕ローテに手が届きつつある。だが19歳右腕は「自分は一番下。上の人に追いつくように頑張るだけ。(開幕ローテーション争いは)意識せずに。結果を出せば、後からついてくると思うタイプなので。目の前のことをやるだけ」と謙虚に話した。「マウンドに立つことが楽しみ。ワクワクします」。純粋な気持ちで腕を振り続ける先に、明るい未来が見えてくる。【浜本卓也】