ぬるいんじゃ!

 広島松田元オーナー(61)が21日「悪夢の逆転負け」を振り返り、チームに猛ゲキを飛ばした。前日20日の日本ハム戦で、9回2死から4点差をひっくり返される屈辱の逆転負け。同オーナーは「勝ちに対してぬるい」と目をつり上げた。現在9カード連続で勝ち越しなし。今日22日から臨むソフトバンク戦を前に発せられたオーナーのカツが届くか。

 堪忍袋の緒が切れた。悪夢の逆転負けから一夜明けてもオーナーの怒りは収まっていなかった。

 松田オーナー

 ひどい試合を見せられた。絶望的になるよ。勝ちに対してぬるい。ここから立て直すのは、至難の業だと思うが、やってもらわないと、このままズルズルいってしまう。

 これまでは、敗戦後も最後は必ず笑顔で前向きな発言を続けてきた。だが、この日は終始、淡々と思いを述べた。20日は、9回2死4点差から2失策が絡み、今村、サファテでリードを守れずの逆転負け。今後に大きな影響を与えかねない敗戦だった。

 松田オーナー

 赤松のダブルプレーから、流れが変わったと思う。(ベンチにも)笑って帰ったじゃろ。(1軍に)上がってきたやつが、そんなんじゃいかん。相手をいたぶらないといけないのに。

 今季初めて1軍に昇格し即スタメン出場した赤松の走塁ミスが、ターニングポイントだったと指摘した。8回に3点を追加し、なおも1死満塁。代打石井の打球は相手の好守で中飛となり、二塁走者の赤松は判断を誤り、帰塁できず併殺で攻撃を終えていた。

 7回無失点に抑えながら白星を逃した前田健も、試合後に「100%勝たないといけなかった。今までにない悔しさがあった。最悪の試合だった」と落胆を口にした。エースの発言にも、同オーナーは「そりゃ、言いたくもなるだろう」と理解を示した。

 この日、マツダスタジアムではニック、前田智らを除いて全体練習が行われた。今日からのソフトバンク戦に向けた練習前のミーティングで、野村監督は「下を向かずに、前を向いて全力で頑張ろう」と声をかけた。沈み込んだ空気を晴らすには、勝ち続けるしかない。【鎌田真一郎】