元祖怪物の大胆指導が功を奏した。DeNAは18日、中畑清監督(59)の要請で元巨人・江川卓氏の“臨時コーチ”が実現。多くの指導者が投球の基本を「外角低め」とするのに対し、江川氏は「内角」の重要性を説いた。指導を受けた国吉佑樹投手(21)はあっという間に変身。中畑監督は「内容がガラッと変わった。キャンプで一番良かったんじゃないの」と、いきなりの効果に驚きの声を上げた。

 外角に投げ続けていた国吉は、江川氏に話を聞いてから内角一辺倒に切り替わった。「内角のストライクと1個外れるボールを投げる練習を続けなさいと。外角をしっかり投げろとは言われてきましたけど内角は初めて」と刺激を受けた。

 右打者の外角に逃げる球種はあるが、内角に変化するボールがなかった。今年からツーシームの習得を目指していたが精度が上がらず、17日のヤクルトとの練習試合でも苦労していた。思惑がピタリ一致するアドバイスだった。

 江川氏の狙いは発想の転換だ。「国吉君はスピードには自信があるけどコントロールはないから安全な外角に投げる。内角はホームランになるから怖い。怖いところに投げられるようになれば、スピードと制球力の2個の自信になる」と説明した。国吉が内角の精度を増したとき先発陣の柱が見えてくる。【矢後洋一】