<オリックス1-4DeNA>◇20日◇京セラドーム大阪

 DeNA三浦大輔投手(39)は、今季の投球に確かな手応えを持っていた。だからこそ、今季初の中5日でも自信を持ってマウンドに上がった。「調子はいいと思って、やるべきことをやってきた」と振り返った。9回1死から完封を逃しても、表情には充実感がにじんでいた。

 この試合前まで7試合に登板し2勝3敗。結果こそついてこなかったが、「球自体は悪くない。もちろん勝ててないから反省すべき点はあるけどな」。手応えはあるのに勝てないジレンマ。これを払拭(ふっしょく)するために、プロ21年間で「1度もやったことがない」という行動に出た。

 16日のオフ、訪れたのは明治神宮のパワースポットと言われる「清正井」。夫人と夫人の友人に勧められて3人で赴いた。これまでは「縁起とか験かつぎとか全くしたことがない」が、井戸の水を肩、肘、膝につけたという。「これはもう運のせいにしたろ、と思ってさ」。暗中模索の状態で、すがったのではない。自信と悔しさからの気持ちを切り替えるための手段の1つだった。「手応えがなければ、行ってみようと割り切れなかっただろうね」。

 この日、8回まで1イニングごとの球数は16球以内。守備時間も7分以内に収めた制球力は、運任せで出来るものではない。「スタミナも問題なかった。それだけの練習をしてますから」と当然と言わんばかりだ。115球の陰にあったのは、自信があればこその、割り切りだった。【佐竹実】