<DeNA1-6中日>◇29日◇横浜

 中日大野雄大投手(24)がノーヒッター山井の快挙に続いた。3年目で自己最長の8回を5安打1失点でまとめ、カブレラと並ぶチーム勝ち頭の4勝目。初回以降ほぼ完璧投球に「こういう投球を続けていきたい」と会心の笑顔。谷繁も「迫力が出てきた」とたたえ、高木監督も「力をつけてきている」とほめる快投だった。

 鬼門を乗り越えた。15日ロッテ戦は志願した8回にKOされ、6点差を追いつかれた。22日巨人戦は7回まで0封も、高木監督が「そこからが問題」と8回は投げさせてもらえなかった。そしてこの日も8回に1死一、三塁のピンチを招いた。だが「あえて千葉(15日)の話をした」谷繁から「乗り越えたらもう1つ上にいける。絶対抑えろ」とハッパをかけられた。ブランコを最速148キロの直球で三振、中村も打ち取ってガッツポーズだ。

 「完投には力が足りない。でもピンチでトニから三振を取れたのは成長した部分だと思います」。交流戦前の9試合でチームはブランコに打率4割3分3厘、4本塁打、13打点と打ち込まれ、3連戦を前に首脳陣から「当てるぐらい厳しくいかな抑えられん!」と猛ゲキが飛んでいた。山井の勇姿を手本に、大野はノーヒッター以上に厳しい内角攻めで無安打の2奪三振。「みんなで結束していたので」。自信を深めた左腕にエースの道が広がってきた。【松井清員】