<DeNA2-4広島>◇9日◇横浜

 チームの内紛に揺れ動いたDeNAが2-4で広島に逆転負けした。4日のヤクルト戦(横浜)で池田純球団社長(37)と波留敏夫打撃コーチ(43)が口論していたことが明らかになり、試合前に高田繁GM(67)が選手に事情説明。事態収拾を図るとともに、中畑清監督(59)は選手に団結することを求めた。だが、投手陣が踏ん張れず、打線も反撃ならず。借金は今季最多の14に膨らんだ。

 嫌な流れを断ち切ることは出来なかった。DeNA中畑監督は試合後、「一丸で戦う姿勢は随所にあった。これを逆転に利用したかったけどな。悔しさが残るけど、明日頑張ります!」と開き直った。

 「チーム一丸」を再確認して臨んだ一戦だった。4日のヤクルト戦(横浜)で池田球団社長と波留打撃コーチが激しく口論していたことが明らかになり、この日の練習前に1軍選手全員を前で高田GMが事情説明。中畑監督も同席した。「熱くなっての2人の意見のぶつかり合い。これは勝ちたい気持ちの表れ。俺たちはグラウンドでしっかり頑張っていこう」と伝えたという。

 球団トップが絡むトラブルに、内部からチームが崩壊していく恐れもあった。ここであらためて、勝つための団結力を求めた。試合前には「一区切りついたということで。チームが1つになったような気がするよ」と笑うことが出来た。

 監督の思いは選手に通じたかに見えた。1回、ルイスの左翼線への飛球を、本来は内野手登録の筒香が、スライディングキャッチ。抜ければ先制点につながりかねないところだった。筒香は「監督の言葉もありましたし、今日は9連戦の頭。何が何でも取らないといけないと、全力でいきました。僕たちはグラウンドでしっかりやるだけ」といつにない闘志を見せた。

 2点ビハインドの9回の守りでは、無死一、三塁から山崎がライナーをダイビングキャッチし、併殺を完成させた。その裏には、先頭打者の内村がカウント2-2から10球連続ファウルで粘り、逆転への執念を見せた。

 だが、反撃もそこまでだった。試合後の室内練習場には黙々と打ち込む選手と、見守るコーチ陣の姿があった。波留コーチはトラブルについて「(口論は)何もないですよ。意見交換です」と平静を装った。だが「こういう時期にファンの皆さん、チームに迷惑をかけて申し訳ないと思う」と頭を下げた。騒動があった事実は取り消すことができない。グラウンドでファンに変わった姿を見せるしかない。【佐竹実】