マー君がまた神様に肩を並べた。プロ野球セ・パ両リーグは21日、記者投票によって選ばれるベストナインを発表し、楽天田中将大投手(25)が満票(有効投票総数228票)で受賞した。パの満票は、03年の城島、井口(ともにダイエー)以来10年ぶり。投手では史上3人目の快挙となった。

 ポジションごとに選出される野手に比べてライバルが多く票が割れやすい投手部門では偉業といえる。パの投手が満票でベストナインを受賞したのは、過去に58年稲尾(西鉄)と89年阿波野(近鉄)の2人しかいない。既に沢村賞に選ばれるなど、今オフの個人賞を総なめにしそうな田中に、“満票投手”という新たな勲章が加わった。

 パは全体的にフレッシュな顔ぶれが並んだ。プロ入り6年目の日本ハム中田翔外野手(24)、同5年目の西武浅村栄斗内野手(23)、同2年目のロッテ鈴木大地内野手(24)、同9年目の楽天藤田一也内野手(31)ら7人が初めて選ばれた。初受賞7人はパで最多タイで8年ぶりとなった。

 一方のセは常連組が多数を占めた。巨人阿部慎之助捕手(34)は満票に2票届かなかったもののリーグ最多の264票を集め、7年連続8度目の受賞となった。49年ぶりにシーズン本塁打記録を塗り替える60本塁打を放ったヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)は2年連続2度目。昨年に続く連続受賞は5人で、唯一の初受賞者・阪神西岡剛内野手(29)も過去にパで3度受賞している。