巨人のエイトマンの出現だ。西武からFA移籍した片岡治大内野手(30)が7日、都内のグラウンドで自主トレを公開した。

 紺の上着の左胸に、10センチにも満たない「8」が白く光る。西武時代の「7」と決別し、少年時代にあこがれた原監督も背負った「8」を、ウインドブレーカーの胸と左腰に刻んだ。「今から重みを感じるように」と、意図を説明。控えめな大きさは「8」の持つ重みと、新天地に飛び込む決意の大きさに反比例するかのようだった。「正直、まだなじんでない。これから自分のものにしていきたい。環境は変わって、すべてにおいて動ける、積極的なプレーをしたい」。今後の言動で、背番号を自身にフィットさせるつもりだ。

 新年の誓いも明快だった。「目標は高く、セ・リーグでも盗塁王」と、言い切った。07年から4年連続パ・リーグ盗塁王は「今までは自分の判断でしたが、チャンスがあればチャレンジしたい。対戦したことのない投手も多いので、大きなことは言えませんが、いろいろ勉強しながら取ればいい」とタイトルへの意識を明確にした。目標の盗塁数こそ挙げなかったが、チームの勝利のために、貪欲に次の塁を奪う構えだ。

 5日から練習を行っており、この日の練習も軽快そのもの。昨年泣かされた左膝痛対策で、82キロだった体重を80キロに整えた。「正月、モチ食ってないです」と、大好きなモチも断った。新たな「巨人の8番」が、大きな決意を胸に動き始めた。【金子航】