<日本ハム2-12ソフトバンク>◇11日◇札幌ドーム

 日本ハムが、首位へ迫る前半戦のヤマ場と位置づけたソフトバンク3連戦の初戦を落とした。6回に谷口のプロ1号と陽岱鋼の適時打で2-2の同点に追いついたが、7回から3イニングで13安打を浴び、今季ワーストタイの12失点で完敗した。今日12日は右肩関節唇損傷からの復活を目指す斎藤を先発に立て、巻き返す。

 同じユニホームを身にまとった4万1208人のファンに背を向け、栗山英樹監督(53)はダッグアウトへ消えた。今季最多観衆の前で、なすすべなく、散った。「こういう試合にしてはいけない日もある。申し訳ない。申し訳ないじゃ、済まない。すべて責任は監督にある」。年に1度の「WE

 LOVE

 HOKKAIDOシリーズ」。痛恨の1敗だった。

 試合の数時間前、監督室で、頭を悩ませていた。ジレンマ、葛藤が次々と押し寄せた。下半身に不安を抱える主砲・中田のコンディションが悪化。DHで起用せざるを得なくなり、はじき出される形で、5日ロッテ戦で2本塁打の大谷がスタメンから外れた。右翼の守備に就かせる“禁じ手”もあるが、9日楽天戦で113球完投勝利したばかり。体の負担を考えれば、無理はさせられなかった。

 また左膝痛の大野も使えないため、「控え捕手」として近藤をベンチに置いておかなければならない“制限”もかかった。振り返ってみれば、先発・浦野も右手親指付け根の違和感で登録抹消されたメンドーサの代役。「それがあっても、こうなってはいけない日」。敗因にはしなかったが、苦しい台所事情があったのは事実だった。

 最後は2ケタ得点差の完敗。最大の見せ場は、同点に追いついた6回だったが、なお2死二塁の好機に中田が左邪飛に倒れた。「自分がつなげられなかった。(大敗は)自分たち野手のせい」。けがを押して出場するが、言い訳は口にせず、責任を被った。

 だが敗戦にも、明るい材料はある。復帰したばかりの陽岱鋼が2安打&復帰後初盗塁、谷口にもプロ初アーチが飛び出した。疲労のたまる谷元、宮西、カーター、クロッタを休ませることもできた。そして今日12日は、エースナンバーを背負う斎藤が、札幌ドームのマウンドに帰ってくる。栗山監督は「佑樹らしく、大舞台で力を発揮してほしい」。やられたら、やり返す。青く染まるスタンドは、それを期待している。【本間翼】