常識破りのウル虎必勝継投だ!

 最多セーブに輝いた阪神のストッパー呉昇桓(オ・スンファン)投手(32)に「2イニング3連投プラン」が持ち上がった。11日に始まるCSファーストステージ広島戦(甲子園)について、中西投手コーチは究極の継投プランを披露した。

 「(短期決戦は)先発もリリーフもきついのは承知で行ってもらわないといけない。スンファンにしても2イニング3連投とか、可能性はあるだろうな」

 「極端な例」と付け加えながらも、自然と口にした異例構想。1勝が左右するCSにおいて、頭の片隅に究極のシナリオが描かれている。

 39セーブを挙げ、来日1年目でタイトルを獲得。信頼はその数字だけではない。シーズンでは本拠地でのCS開催へ、後がないラスト5試合で全試合に登板。そのうち3試合ではイニングまたぎをこなし、失点どころか安打さえ許さなかった。

 呉昇桓は昨秋の韓国シリーズでは、5イニング目に突入した経験も持つ。シーズン終了後には連投に関し「もちろん自分としてもそう思っている」と歓迎の姿勢を示してきた。チームの大半が宮崎遠征に向かう中でも、シーズンの疲れを取ることに専念。コンディショニングを自らのペースで着々と整えている。首脳陣の絶大な信頼と、守護神のおとこ気はきっと重なっている。【松本航】