吉兆のおみくじで、開幕投手も日本一もつかみ取る。楽天松井裕樹投手(19)が3日、横浜市内で行われた青葉緑東リトルシニアの賀詞交換会に参加。同市内の神社で行われた参拝で、新年最初のおみくじを引いた。昨年に続いて結果は吉だったが、勝負運に恵まれそうな一文に反応。開幕投手の奪取を見据えた。また今年10月に20歳となるため、日本一のビールかけでの酒解禁を目標に定めた。

 新年早々、あの光景がよみがえった。松井裕はおみくじが入った箱から運命の1枚を引くと、ドラフトで安楽を引き当てた立花球団社長のように右手を高々と突き上げた。「吉!」。大吉は逃したが、2番目に良いとされる結果。元旦に初詣は済ましていたが「今日のためにおみくじだけは引かなかったんです」と“禁おみくじ”をしてまで引き当てた吉兆に笑みがこぼれた。文面には「あらそいごと勝なり」。勝負運に恵まれるという一文に「これは何かありますよ」とはしゃいだ。

 えびす顔になるのは仕方なかった。今年は「大事なところを任されたい」という思いが強い。昨季の後半戦では3連戦の初戦を任された。おみくじのような勝ち運で勝てば、カードの勝ち越しが近づき、貯金につながっていく。そのため「カードのアタマは大事な役目で、やりがいが大きい」と1戦目へのこだわりを口にした。ともすれば、シーズンを左右する開幕投手についても色気が出る。則本という強敵がいるため控えめだったが、「キャンプ、オープン戦でアピールできるようにしたい」と開幕投手戦線に意欲を見せた。

 もう1つ、かなえたい願いがある。それは「日本一で酒解禁」だ。今年の10月30日に満20歳となる。仮にBクラスとなると、10月上旬でシーズンは終了。勝利の美酒に酔いしれるには、日本シリーズ出場&日本一が絶対条件となる。「日本シリーズを過ぎれば、誕生日を過ぎてビールかけができる。そこでお酒を飲みたい」と自らの誕生日を優勝で花を添えると誓った。

 今日4日からはヤンキース田中らと沖縄県内で行う、合同自主トレに出発する。この日、賀詞交換会が行われたグラウンドから神社まで約2キロの距離も楽々と走りきった。「年末年始もずっと体を動かしていたんで、楽勝でした」とコンディションは万全。勝負の2年目へ、吉兆だけでは終わらせない。【島根純】