<福岡6大学野球:九共大4-2福工大>◇第1週初日◇17日◇福岡ヤフードーム

 九州6大学野球、福岡6大学野球の春季リーグが同時開幕した。福岡6大学の開幕戦は九共大の右のエース大瀬良大地投手(3年=長崎日大)が福工大戦に先発し、2失点完投。自己最多の16奪三振で今季1勝目を飾った。

 春の開幕投手を初めて務めた大瀬良が、福岡ヤフードームのマウンドでチームの信頼に応える投球を見せた。16奪三振2失点完投で今季1勝目。リーグ通算20勝に王手をかけた。「16三振も取ったんですか。今までで最高です」と大瀬良は数字を聞いて驚いていた。

 1回は140キロ台の直球で押しまくった。「強い球を印象づけたかったので」。その後、直球を狙われていると感じると変化球主体の投球に切り替えた。5回にはカウントを取りに行ったカーブを右翼スタンドへ運ばれ、リーグ戦2本目の被弾となった。だが、失点でギアをさらに上げ、6回以降許したのは内野安打1本だけ。後半の味方の逆転を呼んだ。

 スタンドには12球団のスカウトが大瀬良の投球を見つめた。「順調に育っていると思います。来年の候補として素晴らしい素材だと思う」とソフトバンク福山スカウトは今後の成長に期待を寄せる。

 開幕投手は左腕の川満寛弥投手(4年=宮古総合実)が有力だったが、調子が上がらなかった。仲里清監督(58)は「大瀬良が投げることで全員が勝とうという気持ちになってくれれば」と気迫を押し出して投げる大瀬良を開幕投手に指名。「自分もそのつもりで調整しました」と体も気持ちも準備はできていた。

 昨年の大学日本代表で一緒だったロッテ藤岡や広島野村がプロで活躍する姿が大きな励みだ。「今年はリーグ優勝と日本一が目標です」。2年後に先輩と同じ舞台に上がるため、まずは大学で頂点を目指す。【前田泰子】

 ◆大瀬良大地(おおせら・だいち)1991年(平3)6月17日、長崎県長崎市生まれ。国分西小(鹿児島県霧島市)4年のとき「国分西野球スポーツ少年団」で野球を始め、小5から投手。国分南中から長崎日大へ進み、3年夏に甲子園出場。リーグではMVPを2度受賞。昨年7月の日米大学野球で大学日本代表入りした。187センチ、86キロ。右投げ右打ち。