<練習試合:日本6-3ジャイアンツ>◇14日(日本時間15日)◇米アリゾナ州スコッツデール

 山本浩二監督(66)は試合後、「2次ラウンドからつながりが出ている。みんなの状態が上がって、今度はどういうメンバーを組もうか、反対のいい悩みだ」と頬を緩めた。1次Rは低調だった打線が2次Rから活性化した。長野ら不振の選手も上昇カーブを描き、中軸3人もそろって安打を放った。

 それでも選手に気の緩みはない。0-1の3回無死一、二塁で松田が送りバントを失敗して、結局三振したことで、野手は試合後にベンチ前で円陣を組み、話し合った。

 数字では表せない、侍ジャパンの力を感じている人がいた。元中日の助っ人として活躍し、現在はDバックスのスカウトを務めるジム・マーシャル氏(81)だ。中日のコーチ時代に接点があった山本監督の人心掌握術を称賛し、WBC制覇のカギになると指摘した。「心のつながりが強い。このチームを見ていて、彼の人柄がよく出ている」。選手を名指しで責めたり、批判もしない。「人の気持ちをくむのがうまい」と、リーダーとしての資質を力説した。

 山本監督は「今まで通りの野球をするだけ」と繰り返した。メジャーからも認められた包容力で、侍たちを束ねる。残り2試合を制し、世界一の胴上げをしてもらう。【高山通史】