世界一奪還を目指す侍ジャパンが、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝のアメリカ戦に臨む。

 侍が誇る2本の切れ味十分の刀で、米国打線を斬る。先発は、エース菅野だ。「ついに、来たなという気持ちが大きい」と、公式会見で率直な心境を明かした。大役の通達は16日、羽田空港の待合室だった。菅野の後に会見した小久保監督が、渡米前にチームの命運を託したことを明かし「先発が試合をつくることが、勝つためには必要」と、信頼を示した。菅野も「やれることは、全部やってきた」と、大一番に全身全霊をささげる気構えだ。

 2番手として登板が予想される千賀も、覚悟は出来ている。「行けと言われたら、行くだけです」。15日イスラエル戦で5回無失点。勢い十分も「警戒するべきバッターしかいない。1球が命取りになる。そういう考えでやりたい」と、完全アウェーの敵地での登板へ、心も整えた。権藤投手コーチは「先発が試合をつくって、みんなでしのぐ。筋書きは立てられない」と、話した。2人の右腕の快投が、日本野球の新たな歴史を作る。【木下大輔】