【上海28日=奥山将志】プロボクシングのWBC世界ミドル級5位村田諒太(30=帝拳)が、3月上旬から米ロサンゼルスで、1カ月間のスパーリングキャンプを行う予定であることが分かった。年内の世界挑戦を見据えたもので、本田明彦会長が明らかにした。30日にプロ第9戦を控える村田は、上海市内のホテルで約1時間の練習を行った。まずは2日後に迫った試合でのアピールを誓った。

 村田に、ミドル級トップ戦線の選手を相手にした濃密なスパーリング合宿を行う計画が浮上した。期間は3月上旬からの1カ月間で、本田会長は「相手は世界ランカー中心。ロサンゼルスのジムに出稽古して、実戦の中で強化していく」と狙いを説明。同地で合宿を張っているWBA同級スーパー王者ゲンナディ・ゴロフキンとも拳を交える予定で、元世界6階級王者パッキャオを指導する名伯楽フレディ・ローチ氏にもジムへの訪問を伝えたという。

 世界挑戦を見据え、16年は一気に勝負に出る。昨年は右肩のけがの影響もあり2試合しか行えなかったが、今年は4試合を予定。同会長は「4試合目に世界挑戦させたい。すべて、そこからの逆算。次は世界ランカーや世界挑戦経験者になる」と次戦以降の具体的なプランも明かした。

 村田は、WBCスペイン語圏同級王者ベガとのプロ第9戦に向け、上海市内のホテルにあるスポーツジムで最終調整を行った。得意の右ストレートを中心にキレのあるパンチを打ち込むなど、好調を維持。「自分ももう30歳だし、あと10年できるわけではない。アピールも含め、それにふさわしい試合をする」と力強く決意を語った。