ボクシングのWBC世界ミドル級4位村田諒太(30=帝拳)が、豊富な引き出しでKO決着を引き寄せる。23日(日本時間24日)に米ラスベガスで行われる元WBC米大陸同級王者タドニッパ(37=米国)戦に向け11日、都内の所属ジムで練習を公開。世界挑戦に向けアピールが求められる本場での一戦を前に「パンチが当たれば倒せるという自信を持てている」と充実の表情で手応えを語った。

 プロ41戦の経験を持つベテラン攻略の鍵は、得意の右ストレートへのつなげ方だ。今年に入り2試合連続KO中と勢いに乗る村田だが、5月の前戦で左の攻撃パターンの少なさを痛感。「相手にも研究されるし、右だけでは厳しい」と、6月のラスベガス合宿で左のジャブ、フックを実戦の中で強化してきた。

 帝拳ジムの浜田剛史代表は「世界戦をやる選手は必ず自分の武器を持っている。それを当てるために、ほかもあると印象付けることが重要。残像が残れば、相手は迷う」と解説。この日のスパーリングでは、その左に右アッパーも織り交ぜ、終盤の豪快な右ストレートを呼び込んだ。「世界をアピールできる試合にしたい」と村田。取りこぼしの許されないリングで、進化を証明する。【奥山将志】