ボクシングのWBA世界フライ級王者の井岡一翔(27=井岡)が、念願の統一戦へ弾みをつける。同級6位キービン・ララ(21)との3度目防衛戦は今日20日、ゴング。19日は大阪市内で前日計量を行い、両者とも一発パスした。井岡は勝てば日本歴代2位の世界戦12勝目で、大みそかに見据える同級スーパー王者エストラーダとの頂上決戦が現実味を帯びてくる。

 さらに大きなステージへ、王者の力を見せつける。50・8キロのリミットで計量をパスした井岡が、ララを迎え撃つ3度目防衛戦の意味をかみしめた。「すべては明日に懸かっている。まずいい内容で勝って、自分が目指している次の所へつなげたい」。

 “次の所”とは、念願の統一戦だ。WBAは、正規王者の井岡と、同級スーパー王者エストラーダ(メキシコ)に対し王座統一戦を指令。井岡がララに勝てば、8月20日までにエストラーダ陣営と交渉に入ることになっている。WBAスーパーバイザーのアウレリオ・フィエンゴ氏(74)は「井岡にとっては良い機会になるだろう。交渉はタフだろうが、実現すれば注目を集める試合になる」と、ビッグマッチ実現へ期待を寄せた。

 もちろん井岡陣営も、大みそか予定の次戦は統一戦を最優先に考える。WBO王者でもあるエストラーダが受諾しやすいように、WBAスーパー王座のみを懸ける条件でも受け入れるつもり。万が一、対戦が実現しなかった場合、井岡の父一法会長は、IBF同級王者カシメロ(フィリピン)との2団体統一戦を選択肢に入れている。

 大一番への通過点とはいえ重要な意味を持つララ戦。勝てば世界戦勝利数でも、長谷川穂積らに並ぶ日本歴代2位の12勝目になる。狙うは昨年大みそかに続くKO防衛。「最高の状態に仕上がった。この夏、最も熱い日にできるよう頑張ります」。燃える心で井岡が拳に力を込める。【木村有三】