「女子大生王者」古川夢乃歌(ゆのか、22=ワタナベ)が初防衛に成功した。前半は挑戦者の岩川美花(33=高砂)と打ち合いを演じ、「効いたのは何度かあった」。中盤からは体力で勝り、ボディーを軸にして下からの組み立てで打開。3人の審判も終盤3回は古川を優勢にする展開に持ち込み、辛くも勝利した。

 試合後の第一声は「ふがいない試合をしてしまった」。反省の弁が多く口をついた。8月に王座奪還した新鋭は「脚を動かさずに、止まってしまった」と過多な被弾に笑顔も少ない。現在日体大4年に在籍しており、来月1月締めきりの卒論のテーマは「女子ボクシングの現状と将来」。自らも王者として盛り上げる試合をしたかっただけに、悔しさもひとしおだった。

 ただ、17歳でプロデビューを飾り、2戦目の敗戦以降はこれで9連勝。若き王者は、「同じ階級にも強い選手がいるので、実力を上げて戦いたい」と貪欲だった。