プロボクシング元WBC世界バンタム級暫定王者で日本、WBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王者の井上拓真(26=大橋)が12月13日、東京・有明アリーナでIBF世界スーパーフライ級1位ジェイク・ボルネア(27=フィリピン)との55.5キロ契約体重10回戦に臨むことが13日、発表された。

兄尚弥(29=大橋)がWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(33=英国)との4団体王座統一戦に臨む興行のアンダーカードで登場。今年6月に続き、兄弟そろって同日興行に出場する。

スーパーバンタム級(55.3キロ)よりも200グラム重い55.5キロ契約は過去最重量での一戦。階級は違うものの、世界ランカー対決となる拓真は「保持しているタイトルが懸かっていないし、無理をして減量する意味もないので契約体重になりました。目指すは世界(返り咲き)なので打たせないで打つ、完勝します」とボルネア戦のテーマを掲げた。

今、意識して取り組んでいることは「集中力」だという。緊張を張り詰め、勝負どころを見極め、神経を研ぎ澄ませながら実戦トレを消化。通常よりも重い契約体重でもあるため、2階級上のWBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級王者木村吉光(26=志成)らとスパーリング。拓真は「練習での集中力がテーマです」と自身に言い聞かせるように口にした。

海外勢と拳を交えるのは王座陥落した19年11月、WBC世界バンタム級王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)戦以来、約3年ぶり。「久しぶりの海外勢なので、油断せずにやりたい」と意気込む拓真は、来年以降に世界王者返り咲きを狙う階級としてバンタム級復帰に照準を合わせている。WBAの最新ランキングではバンタム級2位にランクイン。WBCでも3位に入っている。「今もバンタム級に落とすことはできますし、自分の体格からしてもバンタム級が適正階級だと思っています」と見据えていた。