WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(29=真正)の11度目の防衛戦は“事実上”王座統一戦に決まった。都内ホテルで22日、4月30日に東京・日本武道館でダブル世界戦の開催が発表された。長谷川の相手は日本未公認団体WBOの同級王者で3階級制覇王者モンティエル(メキシコ)。勝っても同王座は得られないが、長谷川は「どちらが強いか確かめたい」と力を込めた。

 未公認だろうが何だろうが関係なかった。日本未公認のWBO同級王者モンティエルに勝ってもベルトは手に入らない(長谷川勝利の場合は空位となる見込み)。それでも長谷川は会見で「ベルトが動く、動かないはどうでもいい。WBCとWBOのチャンピオンの、どちらが強いか。興味があるのはそれだけですね」と言い切った。

 昨年12月のV10後は階級上げるか防衛続行かで揺れた。だが「まだバンタム級でも強いやつがいる。ほんまの最強を証明してからでも(転級は)遅くない」と決意した。3階級制覇王者のモンティエルについて、帝拳プロモーション浜田代表は「メキシコではスター。米国でもボクシングファンならみんな分かる。攻撃型の選手」と言い、国際的マッチメーカーのジョー小泉氏も「世界的に評価の高い強豪」と評した。

 長谷川も「簡単に勝てる挑戦者じゃない」と相手の実力を認める。「勝てば実質2団体の王者となる。それで他の王者からやってみたいなって声があがってもおかしくないかな。上の階級にいく時の土産にもなりますしね。今から厳しいトレーニングを積みたい」。最強の証明とV11に向け、長谷川が戦闘モードに入った。【浜本卓也】