歌手和田アキ子(60)の元マネジャーが「アッコ魂」と「アッコ式右ストレート」で東日本新人王を狙う。20日、都内で東日本新人王決勝戦(11月3日、東京・後楽園ホール)の記者会見が行われた。スーパーフライ級の佐藤宗史(むねひと、29=石神井スポーツ)は、かつてホリプロ社員として和田のサブマネジャーを務めた経歴を持つ。かつて目の当たりにした和田の「右ストレート」を参考に、教えてもらった「礼儀、忍耐、根性」で東日本新人王の栄光をつかむ。

 ジャージーやスーツ姿の選手が多い中、佐藤はデニムパンツに明るいオレンジ色のインナーと黒ジャケットという、業界風のおしゃれな服装で会見に登場した。口調も明朗快活。「試合をするだけで幸せでしたが勝つたびに欲が出てきました。ここまで来たら勝ちたいと思います」と、必勝宣言も丁寧そのものだった。

 歌手和田アキ子の元マネジャーという経歴を持つ。06年11月にホリプロに中途入社し、07年1月からサブマネジャーとなった。いきなり超大物の担当となり周囲からは怒られる日々。「いつも極限状態で9割がつらいことでした」。だが和田から学んだことは多かった。「厳しいけど間違ったことは言わない。芯がある。第一線でやる人はこうなんだと学びました。あとは礼儀、忍耐、根性です」。

 人間として成長させてもらったうえに、和田からはパンチ“技術”も盗んだ。ある時、過去の武勇伝を語っている和田が、自然にパンチのジェスチャーを取ったという。「脇がしまってて、伸びるすごいパンチでした。『アッコ式右ストレートだ!』って」。

 佐藤はマネジャー業が向いていないと感じ、08年5月にホリプロを退社した。その後、高2で辞めたボクシングを再開しプロデビュー。「アッコ魂」と「アッコ式右ストレート」を武器に東日本新人王決勝戦まで5戦全勝で上り詰めた。「マネジャー経験はめっちゃ生きています。練習がきついときには『あのときはつらかったな』って思い出しますから」。対戦相手の清水大樹(横浜光)は6戦全勝の強敵だが、自慢の右ストレートで「勝利の鐘」を鳴らしてみせる。【浜本卓也】