<ゼロワン:なにわ大花火>◇8日◇大阪・ボディメーカーコロシアム

 ミスター電流爆破の大仁田厚(55)が元横綱曙(43)にリベンジを果たした。先に2度の爆破を食いながら、毒霧攻撃で形勢を逆転。電流爆破デスマッチ史上初導入の同マット、同バットを使い、10分21秒、フォール勝ちした。曙は3度目の決着戦を望んだが、大仁田は邪道に付き合った曙に感謝の意を表明。「曙と組んで、どっかに乗り込みてえ」と前代未聞の“邪道&横綱タッグ”結成に意欲を見せた。

 電流爆破は、やはり大仁田の“お家芸”だった。開始早々、曙のパワーに押され、有刺鉄線で2度の爆発を食ったが、冷静だった。場外エスケープ。曙の顔面への毒霧。215キロの巨体に超低空のブレーンバスターを見舞う。ネックハンギングに捕らえられ、2度目の毒霧を浴びせると、邪道殺法フルコースだ。曙をコーナーの電流爆破ボードに正面からぶつけ、2本の同バットで腹、背中を痛撃。同デスマッチ史上初の“爆破アイテム”3連発で、フォールに追い込んだ。

 試合後、握手を求めてきた曙が花道を引き揚げる際、リング上から呼びかけた。「曙!

 曙!

 曙!

 曙!

 曙!

 曙!

 曙!

 …ありがとよ!」。昨年8月26日、横浜文化体育館での黒星からの再戦白星に、大仁田節が全開になった。

 左上腕部に2、3本の裂傷の筋を作り、両手首周辺はやけどで皮がむけた。それでも、大仁田はうれしそうだ。「まずありがとうと言いたい人がいる。おれに付き合ってくれた曙!

 そして、そして、ファンにありがとう!

 おれはもう1回、プロレスを最高のものにしたいんじゃ!」と絶叫した。

 曙とは、2度の電流爆破を経て、絆が生まれた。曙は「まだ1勝1敗。これで終わっちゃいけない。まだ、やりまっせ~!」と3度目の決着戦を望んだが、大仁田は違う方向性を示した。「曙と組んで、どっか乗り込みたいの~。横綱と邪道、ええじゃろう!」。仰天の“邪綱タッグ”結成プランをぶち上げた。【加藤裕一】