弟分にリベンジだ!!

 4月7日、大阪・ボディメーカーコロシアムで6度目の防衛戦を控えるWBA世界バンタム級王者の亀田興毅(26=亀田)が28日、都内のジムで練習を公開。2度の変更を経て決まった挑戦者の同級11位パノムルンレック・カイヤンハーダオジム(29=タイ)は、興毅が10年3月に唯一の黒星を喫した元WBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム氏(タイ)の弟分。因縁の元世界王者と同門の挑戦者を「ポンサク2世」に指名し、リベンジすることを誓った。

 3年ぶりとなるサウスポーとの対戦を控え、興毅は嫌な記憶を思い出した。最後の左対決は、10年3月のWBC世界フライ級王座統一戦。正規王者として激突した暫定王者のポンサクレックだった。まさかの0-2で判定負けを喫し、プロでは初めて敗戦&王座陥落を味わった。V6戦に向けて左対策を考えながら、当時の悔しさがわき起こった。

 興毅

 3年前に負けた、あのポンサクにいつかリベンジしたいと思ってやってきた。でもポンサクは引退しているしな…ちょうど相手はポンサクと同門で同じサウスポーということもある。「ポンサク2世」として倒してリベンジして、いいイメージに変えたいな。

 挑戦者陣営の問題で2度の変更を経て、ようやく決まった対戦相手のパノムルンレックは、ポンサクレックと同じ「ダイヤモンド・プロモーション」と契約している。以前はウエートも同じフライ級で活躍し、WBCインターナショナルシルバー王座などを獲得した実力派。直接、ポンサクレックからアドバイスをもらうような間柄だという。興毅にとって3年前の「借り」を返したい気持ちになるのは当然の流れだった。

 「今は苦手になった」というサウスポーとの対決に向け、異例の毎日スパーリングで急ピッチ調整を続けている。10日前から東洋太平洋スーパーフライ級8位ジェルウィン・アンカハス(21=フィリピン)を招いて連日、6~7回のスパーリングでサウスポー対策を練っている。試合10日前の時点で、減量もリミットまで残り4キロと順調に進む。興毅は「左同士やとクリーンヒットも増えると思う。KOのチャンスは巡ってくると思うし。チャンスがあれば一気にいきたいな」とKO防衛のイメージを膨らませていた。【藤中栄二】