亀田ジムが消滅する可能性が出てきた。東日本ボクシング協会が6日に都内で、3兄弟の父史郎氏(44)が世界戦後に試合役員をどう喝したことなどで緊急理事会を開催。出席した21理事の9割方が、管理・監督責任のある五十嵐紀行会長(35)への厳しい処分を要望した。12日の定例理事会で同会長に最も重い除名処分が下れば、亀田ジム消滅により3兄弟は余儀なく移籍の可能性も出てきた。

 緊急理事会には五十嵐会長も出席したが、謝罪と状況を説明すると引き揚げた。その後は大橋会長以下、理事24人のうち出席した21人で話し合いとなり、1人ずつが意見を述べた。会員である五十嵐会長に対する処分として、北沢事務局長は「一番重い除名という意見もあった」。実際には9割方は「無期限資格停止」か「除名」という厳しい意見だったという。

 協会はオーナーである会長の親睦(しんぼく)団体。史郎氏は会員ではないために、処分対象にはならない。しかし、「会場への出入りを禁止に」という意見もあったという。大橋会長は「厳しい意見が多かった。12日に結論を出そうということになった」と説明した。「多数決」という問いにはうなずいた。

 五十嵐会長が最も重い除名処分となった場合、北沢事務局長は「代表者が不在ではジムは活動できない」とし、ジム自体が消滅することになる。大橋会長は「選手は関係ない。活躍の場は作ってあげたい」とも話し、3兄弟には手を差し伸べる考えだ。しかし、現役を続けるには、協会預かりか他ジムへ移籍するしかない。いずれもさまざまな問題があり、移籍にしても引き受け手がいるのだろうか。

 協会は3月に、JBCへ無期限停止となっている史郎氏のセコンドライセンス処分解除を要望した。この日の会議ではJBCから要望書が差し戻され、亀田ジムの管理監督体制の検証、その結果によるジム活動について検討するようにとの要望書も示された。協会としての姿勢も問われている。