WBA世界フライ級王者亀田大毅(21=東日本協会)と元同級王者坂田健史(30=協栄)が19日、ともに対戦実現への意思を示した。東京・後楽園ホールで開催された「ボクシングの日

 ファン感謝イベント」の「世界チャンピオン会」発足式に出席。米ラスベガスで3日(日本時間4日)に2人の対戦についての入札が完了した後、両者が初めて顔を合わせて握手した。両陣営間で諸条件を詰める必要は残るが、本人同士は「合意」した形で、対戦に1歩前進した。

 歩み寄ったのは王者の大毅だった。「世界チャンピオン会」発足式終了後、先にリングを降りて坂田を待ち、「決まったら良い試合をしましょう」と右手を差し出した。一瞬驚いた表情を見せた坂田も「そうですね」としっかり握り返した。ファン感謝イベント終了後「対戦への意思表示か」との質問に大毅は「そういうことや。おれは誰からも逃げへん。真の王者になりたいからな」ときっぱり。坂田も「安心した?

 そうですね」と表情を緩めた。

 WBAは、2月7日の同級王座戦デンカオセーン(タイ)-大毅の勝者が坂田と対戦すると義務づけていた。だが大毅と興毅がかつて所属した協栄ジムと、亀田プロモーションが、計約1億円のファイトマネー支払いなどを求めて係争中というのもあり難航。ついにWBAが米ラスベガスで3日(日本時間4日)、この試合の興行権の入札を行い、協栄が31万5000ドル(約2835万円)で落札した。それでも、亀田ジムが無期限活動停止中で大毅が東日本協会預かりとなっていることなどあり、交渉は遅れていた。

 そんな状況となってから初めて両雄が顔を合わせ、握手した。坂田は「(協栄ジム金平会長から)まだ何も聞いていないです」とした上で「決まればいいと思います」。大毅も「いい選手。元王者ですし。決まったら良い試合をしたい」と力を込めた。試合実現に必要な両陣営のサイン入り契約書を提出する期限は24日。諸条件の交渉は残るが、両者が一緒に「合意」の意思を見せたことで、実現へ前進したに違いない。【浜本卓也】