WBA世界フライ級王者亀田大毅(21=亀田)が“舌”好調だ。大阪市内で24日、25日の前哨戦(大阪府立体育会館)の前日計量を行い、大毅はロセンド・ベガ(32=メキシコ)とともに53・0キロでパスした。9月下旬に元同級王者坂田健史(30=協栄)との初防衛戦が控えるだけに、今回は大事な前哨戦。その前日でも自然体で、舌は滑らかだった。

 最初、兄興毅から世界王者祝いで贈られたグローブ形の特注ネックレスを着けて計量し、わずかにオーバー。「ダイヤモンドがいっぱいやから重かったんや」と外してパスした。興毅によれば100万円はするというおそろいの代物。それをしての初計量だっただけに、したままパンツを脱いで体重を軽くする選択肢もあった。だが「みんなに見せたくないからな。女性にしか見せへん」とニヤリ。フライ級より2・2キロも楽とはいえ、いつもの前日は減量苦で口数の少ない大毅が笑わせるなど、これまでとは違う余裕を漂わせた。

 試合には坂田が視察に来る予定。大毅は「手の内を隠すかって?

 隠すのは、ここだけ」と股間(こかん)を指さし笑った。この日は冗談で本音と「大事なところ」を包み隠した。だがリング上では何も隠すつもりはない。「いつも通りやりますわ」。世界王者として、堂々と実力を見せつけるつもりだ。【浜本卓也】