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鉄人健在!小橋が「奇跡」の復活/ノア
<ノア:東京大会>◇2日◇日本武道館◇1万7000人
小橋が1万7000人の前で「奇跡」の復活を果たした。腎臓がんを克服したノアの小橋建太(40)が2日、546日ぶりにリングに上がった。高山善広と組んで臨んだ三沢光晴、秋山準組戦に、大病を患ったとは思えない鍛え上げられた体で登場。欠場前と同じ、重い逆水平チョップを打ち込み、ファンを驚かせた。試合には敗れたが、想像を超えた復活劇にファンは小橋の名を叫び、足を踏み鳴らして歓喜した。
小橋のチョップが重い音を立てて、秋山の胸にさく裂した。一瞬の沈黙の後に大歓声がわき上がる。開始直後の一撃で止まっていた時計が動きだした。選手生命も危ぶまれた病を乗り越えた546日ぶりのリングで、小橋はプロレスラーとしてよみがえった。
信じられない光景の連続だった。ひざを痛めて以来、めったに出さない月面水爆。秋山にスリーパー・スープレックス、三沢にハーフネルソン・スープレックス。秋山へのマシンガンチョップは断続的に129発も打ち込んだ。パワーとスタミナだけではない。秋山のエクスプロイダー、三沢のエメラルドフロウジョンと必殺技を受けても立ち上がった。タフさも、あきらめない気持ちも、紛れもない小橋建太だった。
27分7秒、三沢にスリーカウントを奪われた。鼻血を流し、ふらふらになりながらも小橋は言った。「やっぱり、リングはいいね」。昨年7月の右腎臓の摘出手術後、1つ残った腎臓に細心の注意を払う生活が続いた。それでも求め続けたリング復帰を実現した。「信じて待っていてくれるファンがいる限り、一瞬もあきらめることはなかった」と力強く話した。
ここまでの道は、平たんではなかった。秋山は言う。「小橋さんは鉄人とかっていわれるけど、1人になった時は不安も大きかったと思う。手術前後は眠れないと話していたし、睡眠導入薬も使っていたようだね」。小橋も「一時は道場が近づくと気分が悪くなったり、登校拒否の子供のようだった」という。
それでも練習は続けた。「練習しなくていいなら、やらない。会社や学校でも成果が出たらうれしいだろ。その気持ちを忘れられないから、頑張れる。オレにとってはそれが、ファンの大歓声の中でリングに立つことだったんだよ」。奇跡の復活劇は強固な意志から生まれた。しかし、リングに戻れただけで満足してはいない。「プロレスとは何か? それが分からないからリングに帰ってきたんだ。これがゴールじゃない。プロレスラーとして生き続ける」。鉄人伝説の新章が始まった。【来田岳彦】
[2007年12月3日8時15分 紙面から]
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