6月1日に60歳の誕生日を迎える九重親方(第58代横綱千代の富士)の、還暦土俵入りが5月31日夕、東京・両国国技館で開かれた。

 太刀持ちに白鵬、露払いに日馬富士と、過去の還暦土俵入りでも極めて異例ともいえる、現役横綱を従えての土俵入り。この日に備え、都内のジムで筋トレを重ねたこともあり、現役時代をほうふつとさせる? 約1分20秒の雲竜型の土俵入りを無事、務めあげた。

 還暦を迎える心境などを問われ「老人の仲間入りをしたかな。(綱の色が)現役時代の白から赤に変わっただけ」と話す一方で「本当に感無量。1人でも多くの方に大相撲観戦に足を運んでいただけるよう、残された(協会)在籍期間もしっかり頑張りたい」と心境を語った。

 国技館での還暦土俵入りは、13年6月の北の湖親方以来。九重親方はこの時、太刀持ち(露払いは元横綱貴乃花)を務め、00年6月の元横綱大鵬の還暦土俵入りの際は、露払い(太刀持ちは北の湖)を務めており、この日が3度目。「それぞれピリッとくるものがある。足も上がりすぎてはいけない。目いっぱい頑張りました」と話した。