横綱白鵬(30=宮城野)が秋場所3日目から休場することが決定的になった。2日目の嘉風戦は引き落としで敗れ、初日の隠岐の海戦に続いて黒星。連敗スタートは07年名古屋場所での横綱昇進以来初めてで、小結だった05年九州場所以来約10年ぶり。取組後に左膝の痛みを明かし、都内の病院で診察を受けた。今日3日目の午前に精密検査を受けて結論を出すが、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は「8割方休場」との見解を示した。

 初日から連敗した取組後、白鵬は東京・墨田区の部屋で宮城野親方と約30分、話し合った。その後、同区内の病院で診察を受けた。神妙な面持ちで出てくると、こう打ち明けた。「(左膝の)皿の部分がちょっとね…。明日もう1回、MRIを撮らないと、まだ分からない」。今日3日目の午前に精密検査を受けた後、出場か休場の決断をする。

 宮城野親方は会談後、休場の可能性について「8割方、そうだと思う」と話した。膝の痛みを訴えられ「今まで痛いと言わない人が痛いと言うなんて、よほどの痛みがない限りない」と、弟子の告白を受け入れた。相撲内容も気掛かりで「今のままでは勝てない。無理してほしくない。長く相撲を取るんだったら休んでもらって、巡業も途中から出るぐらいでいい」と気遣った。

 9戦無敗だった嘉風戦は立ち合いからばたつき、右腕をはらわれると踏ん張りきれずに手をついた。無類の強さを誇る横綱の姿がかすむ負け方に「足(左膝)にちょっと、違和感がありますね。ちょっとよく分からない。力が入るのは入るんだけど、曲げるとね」と振り返った。

 白鵬は横綱昇進後の8年間、2ケタ勝利で皆勤を続けてきた。唯一10勝だった12年春場所は、10日目に左手人さし指の剥離骨折が判明。休場こそしなかったが、当時を引き合いに出して「心と体が合わないね」と言った。場所後には最多優勝の祝賀パーティーを開く予定で、年1度のモンゴル相撲で6度優勝した父ムンフバト氏に並ぼうと、年6場所に換算した36度目の優勝へ意欲は十分だった。

 違和感を覚えたのは、伊勢ケ浜一門の連合稽古が行われた今月5、6日ごろ。夏巡業中に右足親指を痛めて取組を休んだ。すぐに復帰したが、無意識に患部をかばっていた。さらに、場所前に部屋の移転が決まり、土俵が使えないため出稽古続きの調整を強いられた。その無理がたたったのかもしれない。史上4位タイの横綱在位49場所目。大相撲の人気回復のために先頭を走り続けてきた横綱が、苦境に直面した。

 ◆白鵬の連敗発進 05年九州場所で喫した。初日は、7連覇と史上初の年6場所完全制覇を狙う横綱朝青龍と対戦。験を担いで1年前に初めて勝ったときと同じ水色の締め込みに替えて臨んだ。立ち合いでは左に変化して相手を後ろ向きにしたが、土俵際で1回転され、形勢を逆転された。2日目は東前頭筆頭玉乃島に寄り切りで敗れた。3日目から立ち直り、この場所は9勝6敗で終えた。

 ◆白鵬の休場 大関時代の06年九州場所以来3度目で、07年名古屋場所の横綱昇進後は初めてとなる。